日本に居住しない者が税関手続を行う場合は、自らの代わりに税関手続を行う税関事務管理人を定め、あらかじめ税関手続を行おうとする税関に所定の書面に必要事項を記載し、これを届け出る必要があります。
この場合、税関事務管理人は、委託された範囲において、税関への輸出入申告手続、検査の立会い、関税等の納付、税関が発する書類や還付金の受領等を日本に居住しない者の代理で行うこととなります。
税関事務管理人は、本邦に住所又は居所(法人にあっては本店又は主たる事務所)を有する者であることが必要であり、また、税関事務管理人が行う税関手続の処理が通関業法第2条に規定する通関業務に該当する場合には、税関事務管理人は通関業の許可を受ける必要があります。
(関税法第95条、通関業法第2条、第3条)
税関事務管理人とは、米国の‘Importer of Record’に相当するものです。
通常日本に商品を輸入する場合は、日本に拠点を持つ輸入者が必要です。しかし、下のような事情により、輸入者が存在しない場合があります。
a. DDPが条件であり、購入者が通関済みの商品を国内取引として購入することを希望する場合
(輸入者となることを明確に拒んでいる場合)
b. 自社の所有物として保管する場合(展示物、サーバーなど)
c. 輸入時に購入者が決まっていない場合
d. 委託販売
この場合、日本に輸入者がいないため、日本へ貨物を輸入しようとするものは、自らが「非居住輸入者」として貨物への責任を持たなくてはいけません。
日本では、国内に拠点がなくては輸入者になることができません。しかし、関税法第95条第2項及び国税通則法第117条第2項に基づき、税関事務管理人となる日本法人等を指定し、税関に届出をすれば、「非居住輸入者」として輸入することができるようになるのです。
ACPに期待される役割は、「非居住輸入者が適正な価格で申告し、正しく関税・消費税を払うようする指導すること」です。
実務上は、以下のような仕事をしています。
税関事務管理人を定めて輸入するケースでは、海外企業が非居住輸入者になるため、一部取り扱えない商品があります。その理由は、非居住輸入者が法的に取れる責任が限られているからです。取り扱えない商品の例として、以下があります。ACPは関税法上の制度であり、それ以外に安全管理上の法律が関わる製品も多く存在します。これらを輸入するためには、ACP届に加え、これらの法律をクリアする適切な日本企業によるサポートが必要です。
それでは、こういった製品の主な例を見てみましょう。
食品、飲料、サプリメント、食器、調理器具、乳幼児用玩具など
薬品、化粧品、ヘルスケア用品
c)電気用品安全法(PSE法)
家電、モバイルバッテリー、リチウムイオン電池
消費生活用製品のうち、構造、材質、使用状況等からみて、一般消費者の生命又は身体に対して特に危害を及ぼすおそれが多いと認められる製品。例、乳幼児用ベッド、レーザーポインター、浴槽用温水循環器、ライター、圧力鍋、乗車用ヘルメット、登山用ロープ、石油ストーブなど。
これらは日本に拠点を持つ輸入者しか輸入することができず、一部ライセンスが必要なものもあります。これら規制のある商品の輸入についてはこちらをご覧ください。
もちろん、日本に輸入が禁止されている商品はいかなる方法でも輸入できません。
2023年10月1日の関税法基本通達改正に従い、記載内容を一部更新しました。
Our column page “Customs Specialist Eyes” is updated.
コラムを更新しました。
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