この法律は、一般的に「薬機法」と略され、医薬品、化粧品などの流通を管理します。これらの商品の輸入には免許が必要で、免許を取得できるのは日本に登記のある会社のみです。
当該免許を有する日本企業をACPに指定することにより、海外企業も輸入することができます。
しかし、販売に免許が必要な商品もあり、その免許は海外企業が取得することはできません。つまり、そのような商品は、輸入はできても販売ができず、免許を持った日本企業が買い取って販売する必要があります。詳しくは、POINT8へ。
薬機法が対象とする、主な製品を見てみましょう。
【化粧品】
「人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、又は皮膚若しくは毛髪を健やかに保つために、身体に塗擦、散布その他これらに類似する方法で使用されることが目的とされている物で、人体に対する作用が緩和なもの」
例:石けん、歯磨き剤、シャンプー、リンス、スキンケア用品、メイクアップ用品など
【医薬部外品】
「主に予防・衛生のために使用されるもので、人体への影響が少ないもの。 医薬品の目的が治療(対処)であることに対し、医薬部外品は主に予防を目的とします」
例:薬用歯磨き剤、制汗スプレー、薬用クリーム、ベビーパウダー、育毛剤、染毛剤、入浴剤、薬用化粧品、薬用石けん、他
【医薬品】
「病気(疾病)の診断、治療又は予防に使用されることが目的とされているもの。」
例:医師が処方する薬、および薬局で買える風邪薬、胃腸薬、目薬、滋養強壮剤などの市販薬
【医療機器】
「人若しくは動物の疾病の診断、治療若しくは予防に使用されること、又は人若しくは動物の身体の構造若しくは機能に影響を及ぼすことが目的とされている機械器具等」
例:メガネ、コンタクトレンズ、体温計、補聴器、磁気治療器、電気マッサージ器など
【体外診断用医薬品】
「体外診断用医薬品とは、専ら疾病の診断に使用されることが目的とされている医薬品のうち、人又は動物の身体に直接使用されることのないもの」
例:癌、遺伝子検査、細菌・ウイルス感染症診断薬(抗原・抗体検査薬)、グルコース検査キットなど
各分類の中は、人体への影響度によりさらに詳しくクラス分けされています。取扱い免許や取得プロセスも違うので、手続きは有資格者とよく相談して行ってください。
検査および手続きにかかる費用および期間は以下と予想されます。マーケティング費用・期間は含みません。
化粧品:50,000円~/1か月~
医薬部外品:1,000,000円~/半年~
医薬品:数百万円~/数年~
医療機器:100,000円~1,000,000円~/半年~
電気マッサージ器など、AC電源を使用するものは、電気用品安全法対象になります。クリアするためには、数か月の手続きおよび、百万円レベルの費用が掛かります。詳しくはこちら。
特定保守管理医療機器薬機法対象商品は、製造・輸入だけでなく、販売にも制限があります。
せっかく輸入しても、取引先が適切な資格を持っていなければ販売することができないので、確認する必要があります。
分類 | 販売業届/許可 | |
---|---|---|
化粧品 | 届出不要(非居住企業も販売可能) | |
医薬部外品 | 届出不要(非居住企業も販売可能) | |
医薬品 | 要指導医薬品および一般用医薬品 | 店舗販売業許可が必要 |
上記以上の医薬品 | 薬局開設許可が必要 | |
医療機器 | 一般医療機器 | 届出不要(非居住企業も販売可能) |
管理医療機器 | 管理医療機器販売業・貸与業届出必要 | |
高度管理医療機器・特定保守管理医療機器 | 高度管理医療機器・特定保守管理医療機器 販売業・貸与業許可必要 |
届出や許可を得られるのは日本に登記のある会社のみです。非居住企業は、赤字で示した分類は直接自社で販売可能ですが、それ以外は、日本の有資格企業に買い取ってもらわない限り販売できません。
2023年10月1日の関税法基本通達改正に従い、記載内容を一部更新しました。
Our column page “Customs Specialist Eyes” is updated.
コラムを更新しました。
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